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大学病院はよい病院か?

なかなか治らない難しい病気であれば、できるだけ良い医者に診てもらいたいと思うのは当然です。そして、良い医者を探す時に、大きい病院とりわけ大学病院に期待してしまうのも分かります。しかし、現実はもう少し複雑です。大学は「研究機関」であり「教育機関」であることを忘れてはいけません。
研究機関としての大学医学部は、研究のため実験もします。時に患者でです。
もちろん勝手に実験台にされることはありませんが、「最新の治療を受けてみませんか」と言われたら、ついつい受けてしまう人も多いのではないでしょうか?「最新の治療」は、これまでにない効果を得られる可能性と同時に、評価が未確定というリスクもあります。
また、教育機関としての大学医学部は、教育のため実地研修もします。もちろん患者でです。
大学だから教授が診てくれるのかと思いきや、まだ顔に幼さが残る研修医が出てきて「ここが痛いです……か?」と、たどたどしい口調で聞かれることも。
ただし、何が起こるか分からないのが病院です。
これは個人的な体験ですが、救急車でERに運ばれた際、研修医が集合してエコー検査の講座(!)が始まったことがありました。痛がっている私を実験台に、指導医がエコーの使い方を教えていたのですが、
「……ここにあるのが、結石だね。ほら分かるでしょう」という声が聞こえ、
「え!ちょっとそれ初耳なんですけど!」と、膵石症が見つかったことがあります。研修目的で大勢の医師に晒されたことが、功を奏したわけですね。
それはともかく、大学病院に診てもらうとはどういう意味か、分かったうえであれば、選択肢に入れて良いというのが結論でしょう。